市場情報と雑学と 〜明日使える知識を〜

某大手電気メーカーに勤める社内SE。マーケティング的なことも業務の中に入ってきているなかで有望な市場分析を発信していきます。また、導入してきたなかで便利な小物があれば紹介していきたいと思います。

2019年10月のQR決済シェアについて考察してみた。

ソフトバンク楽天の決算資料から電子決済アプリの今後について考察してみます。

イーコマース・証券などの複合サービスを提供できる2社が電子決済業の覇権をとる可能性が非常に高いと筆者は考えます。

 

 

2019年10月のキャッシュレス決済状況

増税後はキャッシュレス還元の効果もあり、クレジットカードを除くキャッシュレス決済が増加しています。

ソフトバンクの2Q決算発表では年間取扱高 2.95兆円(2018年度実績)となっているので8兆円規模の取扱高に落ち着くと思われます。

 

増税後のキャッシュレス決済

出典:https://news.mynavi.jp/article/20191108-920925/

QRコード決済業者ではPayPayが最も多く63.8%となっています。

PayPayの収益モデルについては、過去記事にまとめていますのでよろしければご確認ください。

 

ysky24.hatenablog.com

 

 

PayPayのシェア

出典:https://news.mynavi.jp/article/20191108-920925/

 

ただし、電子マネーの利用では楽天Edyが最も多くQRコード決済だけでなく電子マネーも含めるのであれば楽天がシェア1位とも言えます。

最も利用されている電子マネー

出典:https://news.mynavi.jp/article/20190701-851904/

 

電子マネーを絡めたサービス展開戦略

ソフトバンク-PayPay

ソフトバンクは中国のAliPay、インドのPayTmと連携していることからワールドワイドでのマーケットシェアが圧倒的です。

国際送金に仮想通貨リップルXRP)を使用すると発表があったことから、元⇔円、ルピー⇔円などの観光客の需要を一気に取り込むことを想定していると思われます。

必然的に導入店舗は急拡大が見込まれます。決済サービスは8万店舗(2019年9月時点)

なお、金融サービスについては、今後の取り組みとして行うよう決算資料に記載がありました。

ZOZO買収に伴い、イーコマースがどれだけ成長するかがカギとなります。

PayPay 収益 今後

PayPayの現在のサービス

 

 

楽天 edy

楽天電子マネー・ポイントを利用して、投資を行える楽天証券を持っています。

還元率もポイントとカードで二重取りできることから、還元率も高くなっています。

ソフトバンクと比較してすでに銀行・証券部門を持っていることが強みとなります。

モバイル事業への参画もおこなわれ、5G戦略もとっていますが、個人的には楽天の決算資料からは、全体論としての戦略が見えづらく思います。

 

 

ユーザー数比較

PayPayはキャンペーンの成果もあり、国内最大規模のユーザーを達成しています。

1900万人 PayPay

PayPayユーザー

楽天はカードの登録者数は公表していますが、QRコードについては発表していません。カード登録者数1,800人とQRコード登録者数が合算されると思いますが、ほとんどが重複のユーザーになると思いますので(楽天カードが一番割がよく、Edyも付与されているため)ここではカード数を登録者数とみてよいと考えます。

楽天カード登録者数

Line-Payはグローバル5000万人との決算資料にありましたが、市場規模を見るに、おそらくLineアプリの登録者数…でしょうか、おそらく本人認証の500万人がただしいように思います。

LINE-PAY登録者数

 

終わりに

今回は短めの記事となりますが、楽天とPayPayの比較を行いました。

正直3位のLineを買収したほうがキャンペーンより安くつく可能性は大です。

 

今後はキャンペーンというよりも連携したサービスの充実がカギになる気がします。

 

※ 11/14日現在、LINEとソフトバンク経営統合が発表されました。

アクティブ500万ユーザーがPayPay市場に参入することになります。

 

 

くまねこはQRコード決済を応援しています。